2012年3月12日月曜日

シロウオの遡上する綺麗な伊里前川を子供たちに

■伝統シロウオ漁の行なわれる川の整備を手伝います

歌津てんぐのヤマ学校では、伊里前川で100年前からずっと行われてきた『ざわ漁』によるシロウオ漁が復活することを願って、川の整備のお手伝いさせていただくことにしました。ヤマ学校の主な地域の対象者は子供たちなので、長い目で川の再生を見守り行動して行く子ども世代を育てるお手伝いのために、という大きな目標があります。

シロウオ(ハゼ科)は春になると河口から少し登ったゴロ石の多い河床に産卵する習性があり、遡上するところを独特の石積みで追い込んで籠で獲るという全国でも珍しい『ざわ漁』が歌津にはありました。近年は『しろうお祭』として町の行事にもなっていました。石積みは、町の中心を流れる伊里前川の風物詩として、町の人には楽しみな光景でした。

津波は石積みを押し流し川の水辺の葦原を根こそぎにし、地震がもたらした地盤沈下は水深を変えてしまいました。環境が変わった今年、シロウオの遡上がどうなるかは未知数。それでも伊里前の漁師さんたちは、ざわ漁の復活に賭けることにしました。しろうお祭を主催する商工会の仮説店舗の皆さんも『シロウオ漁がみたい』と期待をかけているからです。

3/11の夕刻、若い漁師の千葉拓さんと一緒に伊里前川を歩き、現場を確認して、今年の漁の準備をお手伝いさせていただくことを決めました。3/19(月)が最初の作業日になります。


■滞在は自分で考えることから

歌津は宿泊施設がいくつかありますが、この時期予約が埋まっている可能性も高いです。ヤマ学校応援にきてくださることが以前から決まっていた栃木の自然学校『あるきんぐクラブ』さんの仲間たちは、上沢集会所に滞在します。キャンプ地・さえずりの谷は、雪がとけきらない寒さですが、昨夜から薪ストーブが稼働して、少々の煙たさは気にしないスパイダーは快適に暖かく寝ています。かつてのRQのように登米の鱒渕小に宿泊して自家用車で歌津入りする可能性もあるかもしれません(東京の社団または登米鱒渕小の浦田さっちゃんに確認してください)。

現時点では、御自分の移動手段や予算を勘案して、歌津での作業に加われるよう各自工夫していただきたいのです。津波の後の緊急支援期に、寒さと不便さをものともせずテント泊した歌津拠点についてお聞き及びだったと思います。春とはいえ、雪が降れば凍える寒さが、再びめぐってきています。

しっかり準備をして来てください。


■作業内容 川に学ぶこと、川に関わること

川の清掃、石運びなどです。冷たい水に入るので、防寒と防水が必須です。できれば、『胴長』を準備してください。水に入れる準備のない方は、川沿いの清掃などそれ以外の作業を工夫しましょう。例年のシロウオ漁準備とは勝手が違うので、作業は現場で臨機応変に変わる可能性があります。

もうひとつヤマ学校が計画している活動として、春休みの『里山学習&春遊び大作戦』があります。水に入っての作業ができない日、できない方は、川の自然や文化、仕事について学び、それを子供と分かち合う活動やその準備に携わっていただく場合もあります。

てんぐのヤマ学校では、歌津の山からの清流がつくる水辺が、湾につながっている生態系の豊かさを、地元の人々と共に学び、子供達に誇りを再確認してもらう機会として、川の整備も考えています。ボランティアは『何かをしてあげる』ということではなく、自発意思(ボランタリー)で、従来コミュニティにあった助け合い作業に、地元で暮らして行こうとするヤマ学校もまた参加する、ということととらえています。皆さん一人一人がそのヤマ学校プロジェクトの臨時スタッフです。
災害でうしなわれたものと、自然の復元力で生まれつつある命の息吹をしっかり感じとる学びの姿勢で参加してください。

また天候等により、作業が変更になる場合もあるのでご了承を。上記のヤマ学校のテーマに沿った、環境調査や、子供たちの活動支援やそのためのインフラ整備に切り替わることもあり得ます。

参加の問い合わせは、次のいずれかまで。

・東京在住の山下勇(野犬)。電話は夜間のみ。歌津の元現場スタッフで、地元の事情に明るい。
yamagakkou@gmail.com
090-6603-2030
・RQ災害教育センター。昼間対応できる東京の受付窓口。
rqdec@rq-center.jp
03-5834-7977